【海外インタビュー】堀越耕平が語る『ヒロアカ』 ― OFA歴代継承者のストーリーは細かく設定してますが、あえて省きました。

 『僕のヒーローアカデミア』の原作者、堀越耕平が海外メディア「VIZ」の独占インタビューを受けました。
下記内容は、海外メディア「VIZ」の独占インタビューを意訳したものです。

 『僕のヒーローアカデミア』は漫画の最終回が近づき、来月には劇場版第4作目『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』が日本で公開します。堀越耕平さんが作品を描くうえで影響を受けたものや、40巻以上のベストセラーシリーズの人気について振り返ります。

VIZメディア:堀越耕平インタビュー

インタビュアー:最近キャラクター人気投票の結果が出て、海外でも話題になっています。この結果は予想通りでしたか?また意外だったキャラクターは居ましたか?

週刊少年ジャンプ2024年19号巻頭カラー

堀越耕平: 障子の順位が上がったのは嬉しい驚きでした。本当に嬉しかったです。それ以外には驚きはあまりなかったですね。
人気投票は読者の皆さんが楽しむものだと思っているので、作者としてはあまり感情移入はせず、できるだけ距離を置くようにしています。ですので、「ああ、このキャラクターは人気があるんだな」という感じです。でも障子のことは本当に嬉しかったです。
編集者の今村さんにも、障子は登場回数が少なくて、独特の見た目だから「イケメン」とは言えないけど、それでも嬉しいって話しました。彼を描くときは「本当にかっこいい」と思って描いていたので、皆さんにそれが伝わって良かったです。

インタビュアー:ヒーローの名前はとてもかっこよくて面白いですよね。どうやって考えたのですか?何かに影響は受けましたか?

堀越耕平: あまり深く考えた覚えはありません。音の響きで決めたと思います。名前がキャッチーで覚えやすく、キャラクターの見た目と直感的に結びつくようにしました。
最近はあまり新しいキャラクターが登場していないので、最後に名前を付けたのはスターアンドストライプかもしれません。正直、名前を付けたことはあまり覚えていません。

死柄木弔VSスター

インタビュアー:アメリカのコミックスから影響を受けましたか?

堀越耕平: はい、ただそれは本当に表面的な影響ですね。意識的にアメリカンコミックに出てくるような名前をヒーローにつけるようにしました。

インタビュアー:あなたにとってヒーローとは何ですか?

堀越耕平: 難しい質問ですね。もし言葉で表現できていたら、おそらく漫画を描いていないと思います。だから、「漫画を読んでください」と言いたいですね。
最初、ヒーローは自分とは違うレベルの存在でした。例えば、尾田先生のワンピースやドラゴンボールの悟空のような架空のキャラクター。でも30代に入ると、身近にいるサポートしてくれる人たちの大切さがわかるようになった。それが今のヒロアカのストーリーにも繋がっています。今村さんのような編集者の方々が僕にとってのヒーローです。だから今では、誰でもヒーローになれると思っています。

インタビュアー:もっと掘り下げたかったのに機会がなかったキャラクターやストーリーはありますか?

堀越耕平: 機会がなかったわけではありませんが、描かなかったキャラクターや裏設定があります。例えば、ワン・フォー・オールの歴代継承者たちのストーリーは細かく設定していますが、あえて省きました。質問とは少し違いますが。

歴代継承者

インタビュアー:いつかそういった背景も描いてみたいと思いますか?

堀越耕平: いえ、全然そんなことないんです。よく考えられた背景やエピソードを全て描くというよりは、そういう要素を匂わせるというか。例えば、ターミネーター2では、ジョン・コナーが未来のリーダーになって、シュワルツェネッガーのキャラクターがその未来の世界から送り込まれてくる。でも未来そのものの描写は少ないからこそ、観ている人の想像が膨らんで、すごくいいなと思ったんです。そういったものを作りたかったんです。質問から少しずれてしまいましたが。

インタビュアー:描かれなかったキャラクターが居ても、描きたいと感じるものはないということですね?

堀越耕平: その通りです。

インタビュアー:『僕のヒーローアカデミア』全世界累計発行部数1億部突破おめでとうございます!英語版は北米のベストセラーリストに常にランクインしています。この世界的なヒットについてどう思いますか?

堀越耕平:正直、実感が湧きません。

一億部突破記念

インタビュアー:それはなぜですか?

堀越耕平
海外で販売や宣伝をしてくださった方々のおかげだと思っています。僕一人で成し遂げたものではなく、流通ルートを整えてくれたり、海外でアニメを放送することを決めてくれた人たちに背中を押されたという感じですね。1億部は僕一人で達成したというより、みんなで協力して達成したという感じです。

インタビュアー:それは本当に謙虚ですね。

堀越耕平: 謙遜というよりは「本当にこれでいいのか?」という感じです。

インタビュアー:海外の読者は漫画に対して非常に厳しい評価をします。つまらないと感じたら途中で読むのをやめてしまう人が多いので、『僕のヒーローアカデミア』が売れ続けているのは、多くの人が面白いと感じているということです。

堀越耕平:そう言われると…いや、本当にありがとうございます。それだけシリーズが質の高いものとして認知されているってことですよね。

インタビュアー:特に北米の読者は厳しいので、新刊が発売されるたびにランキング上位に入っているのはすごいことだと思います。

堀越耕平: そうだったら嬉しいですね。本当に面白いものを作り上げられたということですから。すごく嬉しいです。

インタビュアー:最後に、海外の読者にメッセージをお願いします。

堀越耕平: 連載もいよいよ大詰めです。残り少ない話数ですが、最後まで読んでもらえるように頑張りたいと思います。みなさんの厳しくも温かい応援が支えになっていますので、ぜひこれからも読んでください!

ジャンプ2024年35号表紙シンプル
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2件のコメント

超ありがたい記事!
管理人さんいつもありがとうございます!
40巻のおまけページでもスターウォーズには本編で語られない補足がたくさんあって面白いって言ってたから設定の詳細は読者に任せる判断をしたのも納得ですね

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こちらこそ、いつもコメントありがとうございます。
知る楽しみと、想像する楽しみってありますよね。ヒロアカはその塩梅が良くて好き

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