ダークマイトの誕生『ヒロアカ ユアネクスト』ストーリーの大筋を堀越先生に見せるとサラサラッとダークマイトを描き出した ― 担当編集インタビュー

 『僕のヒーローアカデミア』の連載開始から4年間担当努め、現在は『ヒロアカ』のメディア担当をしている「週刊少年ジャンプ」編集部の門司健吾副編集長へのインタビュー記事が集英社オンラインにて公開中です。
本記事では一部を抜粋して紹介します。全文は下記のリンクから御覧ください。
劇場第4作目とダークマイト誕生秘話緑

──『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』は、『僕のヒーローアカデミア(以降、ヒロアカ)』の映画4作目となりますが、制作が決まったとき、堀越先生はどんな反応でしたか?

門司健吾(以下同) 本当ですか? と。ジャンプの漫画のなかでも、オリジナルストーリーの映画を作れる作品は限られています。といっても、『ヒロアカ』はこれまで3作もオリジナル映画を公開してきたので、編集者としては4作目の可能性は十分にあるだろうと思っていました。でも、先生はまだやれるんですね、と驚いていましたね。

堀越耕平

──これまでの3作品はいずれもヒットしていると思うのですが、それでもですか。

そうです。『ヒロアカ』を生み出しても、“自信満々”みたいなところがない先生なので。

──本作の時系列はどこに当たるのでしょうか。

スターアンドストライプが作ってくれた、束の間の猶予にあたる期間です。そこが固まったあとは、アニメは1話から、映画も全作携わっている脚本家の黒田(洋介)さんに筋書きを書いてもらって、それをもとに、先生の意見も交えて打ち合わせを重ねていきました。

──では、先生もかなりストーリー作りに関わっているのですね。本作のヴィラン・ダークマイトは、ヒーローものでは定番といえる、ヒーローにそっくりなビジュアルをした敵キャラクターです。どのような経緯で誕生したのでしょうか。

実は、ストーリーがほぼ固まったタイミングでもダークマイトはいなかったんですよ。完成した映画とほぼ同じ流れの物語までできていたのですが、それを堀越先生に見せたら「これでもおもしろいけど、もう一歩敵役を強められたらいいのに」と。

──それは、熱い展開ですね。

そしたら、サラサラッとその場で絵を描き始めたんです。たとえばこんな感じの敵<ヴィラン>とか~って。それがオールマイトの偽物みたいなビジュアルでした。ただのマフィアでなく、オールマイトとの関係性が軸として刺さったことで、映画における敵<ヴィラン>たちの存在感がワンランクアップしたと思っています。

──映画のオリジナルキャラクターとしてジュリオ・ガンディーニ、アンナ・シェルビーノが登場しますが、彼らはどのように誕生したのでしょうか。

脚本をもとに先生がデザインしてくださいました。デザインでキャラクター性はすごく変わるので、最終的には先生によるエッセンスも強くなりました。僕は、堀越先生のキャラデザインのスキルは日本でも有数だと思っています。デザインを見るだけで、キャラクター性が伝わってくるのは本当にすごいです。

──本作はA組の面々もプロヒーローたちも勢ぞろいの、いわばオールスター作品ですよね。門司さんが気に入っているシーンがあれば教えてください。

今作はヒロアカ史上最大級のアクションだらけで、とにかく見どころだらけだと思っています。なのであえてちょっと細かいところを挙げると、敵<ヴィラン>の“個性”でA組のメンバーが幻覚を見せられるシーンがあるのですが、そのときのとあるキャラの幻覚に注目です。原作を読んでいる人だと、ジーンとするんじゃないかな。

──これはぜひ、劇場で楽しんでほしいところです。

細かい演出にも先生がアイデアを出してくれています。たとえば、芦戸(三奈)がメリーゴーラウンドに乗って「これ動くよー!」というシーンがあって、脚本を読んだときに芦戸らしいなあ、と思ってたんです。でも、脚本をチェックした先生からのコメントに「このシーンの芦戸は笑っていたりせず、真顔のほうがいいです」と。その後、映像になって見たときに、確かに芦戸はこうだ! となりました。

──映画公開を前にして原作の完結が告知されています。すでに原稿は完成済みなのでしょうか(2024年7月上旬時点)。

いえ、絶賛作業中です。

──ギリギリまで描かれているのですね。それも、先生が挑戦を続けているからこそでしょうか。

そうですね。最後まで『ヒロアカ』の物語をしっかり読者に届けたいという強い気持ちで描いてくれています。

──先生は、物語の完結にあたりなにかおっしゃっていましたか?

ふとした瞬間に「このキャラを描くのってあとなんコマあるんだろう」と思うこととかはあると。ただ、今はまだ締め切りと戦う生活をしていますので本当に描き終わるまでは、そこまで感慨はないみたいです。

──では最後に、映画館に足を運ぶファンに向けてメッセージをお願いします。

原作の完結を控え、テレビアニメが放送中、そして映画の新作公開と同時にコミックスの41巻が発売するという、すごく奇跡的なタイミングが重なっています。すごく盛り上がると思うので、ぜひその波に乗ってほしいです。

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僕のお気に入りのシーンは、エンデヴァーが甚平姿で涼んでいるところ

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2件のコメント

トラックから浮遊で出てきてエアフォースで飛んでいくデクと
後半のバトルでヤオモモと上鳴コンボ技する時のヤオモモがすんごいかっこよかったからお気に入りです

めっちゃ分かる!トラックの所、劇場版始まった感強くて好き
ヤオモモ上鳴もわかります!ラストのバトルラッシュは全部すごいですよね

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